エコカーと燃費 |
自動車ほど便利なものはないでしょう。 人間の走る速さとは比べ物にならないほどの速さを誇り、それでいて雨風も凌げる車内空間はプライベート空間でもあります。 広い車内を誇るものも珍しくないのですが、どのような自動車であれ、基本的には「燃費」がかさむのです。 多くはガソリンを燃料に動いてくれるのですが、自動車は維持費の負担も考慮しなければなりませんから、燃費の良い自動車に乗りたいと思っている人もとても多いのです。 その風潮の中で最近大きな注目を集めているのが「エコカー」と呼ばれる、低燃費の自動車たちです。かつて自動車は燃費などあまり気にされていませんでした。 「より速く走る」、それが自動車の美徳だったのです。しかし時代が流れ、自動車に求められるのは「速さ」ではなく、「利便性」となったのです。 その利便性の中には、「コストパフォーマンス」も含まれているでしょう。 そのため、エコカーの注目度はとても高いものとなっているのですが、エコカーというとどのような車種を連想するでしょうか? 今の時代ですと多くの人がプリウスのようなハイブリッドカーを連想するでしょう。 しかし、エコカーというのは必ずしもハイブリッドカーという訳ではないのです。 明確な定義付けをするのであれば、「燃費の良い自動車」という事になりますので、ハイブリッドカーもまた、エコカーである事には間違いないでしょう。 かといって、ハイブリッドカーが必ずしもエコカーというと、それはまた異なる話です。 ミニバンなどのハイブリッドタイプは、かつての同車種に比べるとよい燃費ではあるものの、それらよりも良い燃費の車種は多くラインナップされていますから。 ハイブリッドカーが必ずしもエコカーである訳ではない点は承知しておくべき部分でしょう。 事実、ハイブリッドではない通常のガソリン車であっても素晴らしい燃費を誇るエコカーは数多く登場しています。 アイドリングストップ機能を搭載する事で、ムダな燃費消費を抑えるタイプのものも登場しています。 燃費が良い自動車というと軽自動車を連想する人が多いでしょう。 軽自動車は燃費だけではなく、維持費の面でも素晴らしいものがあるのですが、今では軽自動車以上の燃費を誇るエコカーも多数登場していますので、エコカーに乗りたいと思っている人は、軽自動車しか選択肢がない訳でもないのです。 様々な選択肢が用意されているのは自動車業界の努力の賜物であって、我々にとってはとてもありがたい話でしょう。 が、自動車メーカーにとっても燃費の問題は真剣に向き合わなければならないものなのです。 その理由は大きく分けて二種類でしょうか。 一つは政府レベルで環境問題への取り組みが要求されている点。 排出ガスの基準値は年々厳しくなっており、かつて一世を風靡した車種が燃費基準に到達する事が出来ずに生産終了となってしまったものもあります。 特にスポーティタイプの自動車は燃費が良くないですから、ユーザー離れを起していた側面もありますが、燃費基準に迎合する事が出来ないものが多かったのも一つの理由ではあります。 このような例を出すまでもなく、オーナーが燃費を気にするようになってきているのです。 スペックよりも利便性─昔からの自動車ファンにとっては寂しい現実かもしれませんが、現実問題自動車の性能を遺憾なく発揮する事が出来る場所の方が少ないのが現実です。 特に我が国の場合、都心部は信号の多さのおかげで高速巡航すら出来ません。 そのため、多くの人が最高速度よりも燃費を気にするのも当然でしょう。 そのようなユーザーのニーズ、それが燃費至上主義に陥っているもう一つの理由であり、大きな理由でしょう。 自動車はメーカーが作って終わりではなく、売らなければ意味がありません。 売るためには、利用者のニーズに応えたものが求められるのは自動車に限った話しではないのですが、おかげで今、燃費の良いエコカーの存在はどの自動車メーカーにとっても看過出来ない存在となっているのです。燃費向上こそが自動車の売り上げ増に繋がるのです。 事実、トヨタのハイブリッドカー、「プリウス」の売り上げは近年では例を見ないほどのものとなっており、今でも街中で一番見かける車種なのではないでしょうか。 なぜプリウスが売れているのか。 その理由は一にも二にも燃費が良いからです。 もしもプリウスの形や性能が全く同じでも、燃費が半分程度であればここまで売れる事はなかったでしょう。 プリウスの存在は古くからの自動車ファンの間では物議を醸していますが、今現在、多くの人が求める「自動車の理想」に一番近いのも事実です。 そして、そのプリウスに負けじと、他の企業も様々なエコカーをラインナップに加えているのです。 ハイブリッドスポーツカーという新しいジャンルを切り開こうとしているホンダや、ハイブリッドではなく、EV、いわゆる電気自動車に社運をかけているといっても過言ではない日産・・・。 エコカーの今後には、まだまだ目が離せないでしょう。 エコカー関連記事 今更だけどエコカーって? エコカーとEV(電気自動車) 財政運営のウソと正道 登録車10万円、軽7万円の「エコカー補助金」が閣議決定 |
by kuruma0306
| 2011-12-22 15:18
| 自動車
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